平成12年1月20日
吉川 和男先生

患者さんと理解し合う臨床システム


  KIGの本年度のテーマは、(コンピューターをマスターしよう)か、(コンピューターを使ってみよう)みたいな事だったように記憶しておりましたので、今回の発表は、ノートパソコンとプロジェクターを使って当院における、コンピューターを使った患者さんに対するプレゼンテーションを主体に発表させていただきました。

 歯周治療、根管治療、補綴、矯正、インプラント、と全顎的な治療を進める上で、患者さんと如何にうまくコミュニケーションがとれているかどうか、という事が大事なことは周知の事実だと思います。
これが簡単なようでなかなか難しく、現症を説明するだけでも、手鏡を持ってもらっても見えてなかったり、見てなかったり、模型や図表は他人事のようにわかったふりだけして実際は何も理解していなかったりと、よくある事です。また、診療中のかぎられた時間の中で、十分な説明には限界があります。そこで、これをなんとかしようということで、コンピューターを導入しました。

 口腔内写真をスキャナーで読み込み、各種検査結果をツァイルに貼り付け治療の流れや種類、治療方針や患者さんへのアドバイス、治療期間や治療費などをA4・10から15ページにまとめ、1冊の治療計画書とし患者さんに時間を取ってもらいカウンセリングルームのコンピューターの前で30分から1時間、これからの治療について、これを基に話し合い最後に治療計画を渡すようにしました。

 このシステムを導入してかなりの量の写真を撮るようになり、また計画書の作成にも時間はかかりますが、レントゲンや模型だけでは見えない部分がかなりあり、写真の重要性をあらためて認識させられ、自分にも患者さんにも良い勉強になっていると思います。